プノンペン視察 ①:【不動産事情】“実需 vs バブルを見てきました。” (バブルケース) 

GPC代表西田です。2018年12月22日~26日まで、カンボジア首都のプノンペン視察に行ってきました。 

  

事の発端は、私と今回一緒に視察をした知人と東京でランチをしていた時、私がグループ子会社を1年前にカンボジアに設立し、USドル運用や金融サービスの先進性を熱く語った結果、「今度、みんなの都合があう日程で行ってみよう!」と。 

  

全員おじさん(それもかなり忙しい人間達)だが、全員の都合があうのがクリスマスの時期という(私含めて)、なんとも言えない「寂しい」仕事人間の集まり(笑)になりました。 

  

  

さて、今回の参加者全員が「不動産業」、「ファイナンス業」の達人たちで、よりディープに実態を見る、また日本の地方創生に役立つ材料も持って帰るなどのミッションで色々段取りをして、行ってきました。 

  

【バブルのケース】 

  

  

<写真:Chantaさん> 

うちのグループの現地拠点を手伝ってもらっているChantaさん(私の下の名前と似ているので、兄弟分です)の案内で、現地デベロッパーのOrchid Villaの開発地に向かう。 

  

  

  

王宮、セントラルマーケットなどが立ち並ぶ中心地から車で20~30分弱(※渋滞状況による)。 

目の前の通り向かいにはCIA First International School右手にはNorth Bridge International School Cambodia(NICS)と、インターナショナルスクールが並び、立地も環境も抜群の場所での開発。 

さすがに、現地デべの経営は現フンセン首相一族がやっている感抜群でした。 

  

  

  

  

  

全36ヘクタールの敷地内に、Villa&タウンハウススタイルを800軒超、コンドミニアム6棟、51,000平方メートルにわたるショッピングモール、ホテル、スーパーマーケットなどを建設中。既にVilla & タウンハウスは完売。 

コンドミニアム5棟(建築中)の80%は売却済という人気物件だ。 

  

  

<写真:建設中のVilla> 

  

Villaの価格は大体US$600-800K, タウンハウスはUS$300-400K、コンドミニアムはUS$200-300Kの値段設定。。。。 

第1印象としては、誰が買うの?と興味深々。ひと昔前のマレーシア、ジョホールバルであった「イスカンダル計画」の匂いが結構するなと。 

Chantaさんによーく聞くと、やはり海外投資家が50%を超え、キャピタルゲインを狙っての購入がメインであると。(→納得感あり) 

  

仕組みとしてはこんな感じ。 

  

【US$300Kの建築中タウンハウスを1軒購入する場合】 

・建築期間は約2~3年(その後引き渡し) 

・最近はデべ間の競争が激しく、ほとんどが100%ファイナンス 

・建築期間中の値上がり率は30~40%を想定。 

外国人の私が購入したとして、支払いは30%の頭金を分割払い(利息ゼロ) 

・US$6,000/月(300,000 x 2%)を15か月=90,000ドル(これが頭金に充当される) 

  

そのため、建築期間中は毎月6,000ドルを支払っておけば「所有権」を維持可能。その後は2つのパターンが考えられる 

  

パターン① 引き渡し前売却 

・引き渡し前に30%の価値上昇があったとしよう。物件価格はUS$390,000となる。 

・新しい買い手に「所有権」権利を売却すると収支は 

US$390,000-US$300,000=US$90,000 

※購入後、10カ月後に売却したと仮定すると手出資金US$60,000で元本も戻り、プラスUS$90,000の利益が入る結果となる。 

  

パターン② 引き渡し後売却 

・引き渡しまで進むと、デべからのファイナンスを利用できる70%支払いの部分。利息は10~12%で最長20年。(US$2,312月払い-20年@12%) 

・その後、売却先を探し売り抜きのプラン。そのため、かかる費用は上記利息コストのみとなる。(その他諸経費は当然あるにしても)年間ざっくりとUS$25,000の利息コストなので、家賃収入と「いってこい」の状態だろう。 

  

まずは現金(月6,000ドルを払える)をもっている人間が所有し、価格があがってから売りぬくという仕組みになっている。(1軒くらいやってもよいかな) 

手だし資金=US$60,000~90,000 利益=US$90,000(2年間想定) 

年ROI₌50%+(バブルのケース) 

  

【余談】Villa型タウンハウスとコンドミニアムの違い 

不動産投資には出口戦略が必ず必要で、ローカルの人間に「本当にUS$400K~600Kの住宅に住めるのか~?」と雑談トークを。色々所得はあがっているが、答えは殆どの国民はNOです。首都のプノンペンは国民あたりのGDPは約US$3,800ドル(2017年)と言われるが、これは年収の約15倍にあたる価格で、日本で例えると年収600万円の人間が9千万の住居に「住む」というかなり現実離れした話だ。また、Villa型のタウンハウスとコンドミニアムがあったので、「ローカルの人間はどっちに住むの?都心でも結構ショップハウスのようなタウンハウス型が目立ったが。。」 

  

圧倒的に「タウンハウス」が好きだ。 

  

生活としてタウンハウス型に慣れているのと、土地の所有という意味でローカルの人間はタウンハウスを好む。まだまだコンドミニアムの土地の区分所有という概念には「お得感」を感じていないのが現状。但し、海外の出戻り組や駐在員家族はコンドミニアムを好むと文化浸透の転換期にあるという一説も。このあたりはコンドミニアム投資の出口が少ない点注意したい。