プノンペン視察 ②:【不動産事情】“実需 vs バブルを見てきました。” (実需ケース) 

【実需ケース】  

  

今回の視察に参加された方の紹介で、実態ケースを見ることができたのは大きい。視察①で紹介したバブルケースのみ見ていたら、「もやもや感」を引きずったままで帰ってきたかも。 

  

実需ケースは日系ファームのクリード社の手掛けるBorey Maha Sen Sok。こちらは日系ファームが手掛けるプロジェクトとしてはカンボジアで最大規模である。 

  

(Borey Maha Sen Sok。下記紹介するが、これが「Build-Up」型タウンハウスの外観である。) 

  

こちらはプノンペン郊外北西部に位置し、イオンモールから約10分&プノンペン国際空港から約3キロメートルと、非常に機能的で生活の便も良い。 

  

(敷地内にあるクリード社のオフィス) 

  

(クリード社のオフィスの隣でも続々と進む建設) 

  

  

「自然との調和」をコンセプトに、約114,000㎡の広大な湖沿いの土地には759戸の「Build-Up」型タウンハウスに加え、ミニマート、カフェ、エクステリアジム、子供の遊び場、庭園など、住民の生活・憩いの施設もばっちり完備されている。 

  

2015年10月より竣工開始し、昨年11月より最終工区竣工に至っているが、見事に完売とのこと!ちなみに価格帯はUS$47K-80Kと、「ローカルの人間にも手が出る」感。購入者も続々と入居を開始している。 

  

  

(遊ぶ子供たち。外の大きな池場は住人の憩いの場所) 

  

夕方頃に視察したが、ちょうどその頃には暑さがおさまり、外で子供や家族が遊んでいる姿も見ることができた。なかには1Fがショップハウスのようになっており、「散髪屋」、「コンビニ(ひと昔前の駄菓子屋のような)」、「お花屋」など住民がそれぞれ商売をしている姿は「これから居住者が街を作るイメージが十分に沸いた」。 

  

私は東南アジアで実需不動産開発をリードできる経営方針に純粋に感動しました。 

  

【「Build-Up」型タウンハウスとは?】 

このプロジェクトを見て、衝撃的だったのはローカル文化にあわせたタイプで、このタウンハウス(日本的にいうと長屋のような形)は屋上で隣と繋がっている点。将来的な家族増や所得増にあわせて、増築がしやすく施工されており、時代にあった建物だ。 

  

  

(完成された「Build-Up」型タウンハウスの中身。1階はオフィスとして利用されているが、2階窓部分は通常マスターベッドルームとして使用される) 

  

(2階から階段をさらに上り、この板を外すと屋上へ通じる。) 

  

(青線)更に2F/3Fをビルドアップ中 

(赤線)隣の家との境界線 

  

屋上に抜けるドア 

  

①の視察報告でも書いたが、彼らデベロッパーのコンセプトはマンションや家を建てるというものではなく、『街を作る』という概念が強い。これは東南アジアなどの新興国によくみられるコンセプトである。私がベトナム、インドネシア、ミャンマーなど他の国でも見るが、投資や自分の時間を使い足を運ぶ場合、『そこに人が住むか?』という目線で常に見るようにしている。人が住めば、確実にそこにビジネスチャンスが存在するため、将来性を語ることができる。所得層はあまり関係なく、人がいる街を作るということは、今度の日本の地方創生の姿でもあるのかなと環境は違えど、やろうとしていることは似ているような気がする。 

  

(夜にライトアップされた王宮:ご参加者撮影)