MOM長官は2021年3月3日、シンガポール予算案2021に対応するCommittee of Supply にてスピーチし、2021年5月1日以降は、DPホルダーのLOCを使った就労を原則廃止とする旨を発表しました。DPホルダーが就労を継続するには、EPやSパスを得なければならなくなります。
また、その他にもSパスQuotaを今後10年間でさらに引き下げする可能性や、EP申請時のFair Hiring運用の継続強化を示唆しています。
▼全文
▼外国人労働力に関するコメント抜粋
【基本方針】
・外国人労働力に関しては、シンガポール政府の中での意見が大きく二つに分類される
一つは、シンガポール人のスキル保持者が少ない産業においては、外国人労働力への依存を高めた方が良いのではないかという議論、そしてもう一つはシンガポールの現地化とシンガポールコアの強化のために外国人労働力への依存度を減らすべきという議論の二つになる。
・MOMには常にこの二つの異なる意見があるが、基本的には、常にシンガポール人労働者の利益を追求するというスタンスである。
・外国人労働者への依存は、今後の経済的な成長を得るための手段と考えている。
・したがって、外国人労働力は、現地の労働力を補完する役割を果たさなければならない。
【Sパス】
・製造業のSパス以外にQuotaの削減がなかったことに失望感を表明する議員も存在する
・ただ、2020年の雇用縮小の多くを外国人労働力が占めており、外国人労働力政策はこの一部を担っていたのは確かだと考えている。
・MOMとしては、SパスのLevy、最低適格給与、Quota等の見直しを継続していく。
・今後10 年の間に、MOMはS パスの規則のさらなる変更を段階的に行っていくことを考えているので、企業側もその認識でいて欲しい。
【EP】
・EPレベルでは、まず第一に、外国人がローカルPMETの労働力を「補完」するという状況を継続的に確保する。
・昨年、EP保有者の最低適格給与を2回引き上げたが、今後はその方法を改善する可能性を探っていく予定。
・Quotaを設定するか否かという議論においては、Quotaを課すことでシンガポールへの最先端の投資やスキルの流入が制限され、長期的にはシンガポール人の将来性が損なわれると考えている。
・Levyについても、EPレベルの労働者は現在世界中のどこからでも仕事ができるようになってきているため、EPにLevyを課すべきといった議論も今後は和らいでいくのではないか。
・第二に、MOMは企業が Fair Hiringを実践し、外国人PMET労働者の多様性を向上させるということを、確実に遂行する。
・雇用者が、差別的な理由で、適切なローカル候補者を無視するのは間違いである。
【DP】
・最近の就労ビザの動きとの整合性を保つために、DP保有者のワークアレンジメントも規則化する。
・DP保有者の大多数は就労しておらず、LOCを介してシンガポールで就労しているDP 保有者は、就労ビザ保有者全体の約 1%に過ぎない。
・2021 年 5 月 1 日以降、シンガポール滞在中に就労を希望する DP 保有者は、EP、S パス、ワークパーミット等の就労ビザを申請する必要がある。
・LOCで働く既存のDP保有者とその雇用主には、本規制に移行するための十分な時間を提供する。ほとんどのDP保有者は、現行の就労ビザ基準を満たしている。そうでない者はシンガポールでの就労を停止しなければならない。
・ビジネスオーナーになっているDP保持者は、ローカルの雇用を生み出している場合は引き続きLOCで就労を続けることが出来る
条件1.個人事業主、パートナー、企業の取締役で、下部の30%を保有している事
加えて
条件2.事業が、少なくとも1人のローカル従業員(シンガポール人かPR)を3カ月間以上雇用しており、給与がS$1,400の場合
・上記に当てはまらない場合、2021年5月1日~2022年4月30日の間にDPの更新がある場合は、一回に限りLOCの延長申請が可能。その後は就労ビザを取得する必要がある。
・詳しい内容は、2021年5月1日に発表される。
▼MOM factsheet