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シンガポール就労ビザ:新たな規制が発表

2022年8月21日のNational Day Rallyでのリー首相の演説を補足する形で、8月29日、シンガポール政府は就労ビザに関する新たな規制を発表しました。

主なポイントは以下の通りです。

 

①高度人材に向けた特別就労ビザ制度の新設

②高収入EP保持者およびPEP保持者の給与バーの引き上げ

③MCF求人広告期間の短縮、及びEP審査にかかる期間の短縮

④一部人材不足の職種のEPホルダーに向けた優遇措置(有効期間の延長)

 

詳しくは以下、Strait Times記事の和訳をご参照ください。

 

原文 (英語)

https://www.straitstimes.com/business/economy/4-things-to-know-about-singapores-work-pass-framework-enhancements

 

 

以下和訳

 

リー・シェンロン首相は8月21日のナショナル・デー・ラリーの演説で、シンガポールに世界レベルの有能な人材を集めることの重要性と、優秀な人材を開発し、引きつけ、維持することの必要性について述べました。

彼はスピーチの中で、「才能が国の成功を大きく左右する時代だ」と述べました。

タン・シーレン労働大臣は8月29日(月)、人材こそシンガポールの唯一の資源であり、有能な人材を獲得することは国家にとって「攻撃的な戦略」であると発言しました。その上で、テクノロジーなどスキル不足に直面している分野において、優秀な人材や経験豊富な専門家をより惹きつけるために、シンガポールのワークパスの枠組みを4つのターゲットに絞って強化することを発表しました。

 

ワークパス強化の枠組みは以下の通りです。

 

1. Overseas Network & Expertise Pass

2023年1月1日より、あらゆる分野の優秀な人材を対象としたこの特別パスの受付を開始します。

この新しいパスの目的は、有益なネットワークと各分野の深いスキルや専門知識を持ち、シンガポールの発展に貢献できるグローバルな人材を確保することです。

新しいパスの有効期限は5年で、一般的なEmployment Pass(EP)の2、3年よりも長くなります。このパスは、シンガポール経済に有意義に貢献してもらうために、複数の役職を担う方にも柔軟に対応するものです。

また、パス保有者の配偶者も、Letter of Consent(承諾書)を取得すれば就労が可能となります。

 

応募資格は、EP保有者の上位5%に匹敵する3万シンガポールドル以上の月額固定給を得ることです。

シンガポールでの職歴がない海外からの応募者は、時価総額5億USD(または6億9900万SGD)以上、または年間売上2億USD以上の実績のある企業での勤務経験もしくは勤務予定であることを示す必要があります。

ただし、給与基準に満たない場合でも、芸術・文化、スポーツ、科学技術、研究・学術の各分野で優れた業績を上げている人は対象となる可能性があります。

 

 

2. 既存のワークパス要件の一部を免除する新しい基準

2023年9月1日より、Fair Consideration framework (FCF)の求人広告免除要件とポイント制のComplementarity Assessment Framework (Compass)の免除要件となる給与基準、並びにPersonalised Employment Pass (PEP)の給与基準が22,500シンガポールドルに統一されます。

現在、2万シンガポールドル以上の月額固定給を得ている個人は、FCFの求人広告要件や2023年9月1日より施行されるCompassからの免除が認められています。また、12,000シンガポールドル以上の月額固定給を得ているEP保持者と18,000シンガポールドル以上の月額固定給を得ている海外からの応募者は、PEPの対象となります。

このベンチマークの設定により、企業は将来の給与の基準値や基準の変更が段階的なものであることがわかります。

FCFでは、シンガポールのすべての雇用主に対して、求人の中で人材を公平に考慮する要件を定めています。雇用主は、年齢、性別、国籍、人種など、職務に関係ない条件によって差別をすることがあってはなりません。

FCFの求人広告要件では、EPパスとSパスを申請する雇用主は、まずMyCareersFutureウェブサイトで求人広告を出し、すべての候補者を公平に選考する必要があります。

PEPは、高収入のEP保持者と海外のプロフェッショナル向けの制度です。雇用主と紐づいていないので、EPよりも融通が利くものとなっています。

 

 

3. EP応募要件の二つの変更点

一つ目は、企業がより迅速かつ確実に採用活動を行えるように、9月1日よりFCFの求人広告期間を28日から14日に短縮します。

FCFの求人広告期間は、パンデミックの影響で雇用市場が不安定で経済状況が不透明だった2020年10月に、14日間から28日間に延長されました。

二つ目は、すべてのEP申請について直ちに、10営業日以内に審査・処理もしくは申請者に状況報告を行うこととします。

つまり、申請書を提出してから10営業日以内に、雇用主はMOM(労働省)からイエスかノー、または審査にさらに時間が要する旨の状況報告を受けることができるようになります。

現在、オンライン申請の85%は、3週間以内に審査・処理を完了しています。

 

 

4.有効期限5年のEPの選択肢

MOM(労働省)は、2023年9月より、Compass Shortage Occupation List(人材不足の職種リスト)に掲載されている特定の技術職について、有効期限5年のEPを選択できるようにします。

このEPの申請者は、経験に応じて月額固定給10,500シンガポールドル以上という高い給与水準を満たす必要があります。また、Compassの枠組みの中のダイバーシティの項目で10点以上獲得する必要があります。

Compassとは、シンガポールの標準的な給与水準との比較や、EP申請者が企業内の国籍の多様性を向上させるかどうかなど、個人と企業に関連する4つの要素に基づいてEP申請者を評価するポイント制の枠組みです。

 

申請は、これらの要素に基づき、期待される水準を満たすかまたは上回っている場合にポイントが加算されます。Compassに合格するには40点必要で、2023年9月1日から新規EP申請者に適用されます