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シンガポールのグローバル人材ハブとしての地位の強化 に関する記者会見での発言内容について

8月29日、シンガポール政府(MOM)は就労ビザに関する新たな規制を発表しました。要点は以前のニュースで発信した通りですが、以下に、MOM長官のスピーチ内容の日本語全訳を掲載いたします。

 

 

原文(英語)

https://www.mom.gov.sg/newsroom/speeches/2022/0829-remarks-by-minister-on-strengthening-singapore-as-a-global-hub-for-talent

 

 

以下和訳です

 

 

シンガポールのグローバル人材ハブとしての地位の強化に関する記者会見での発言内容について

29-Aug-22

人材開発省大臣兼貿易産業省副大臣 Dr. タンシーレン

 (ナショナルプレスセンター)

 

 

1.メディア関係者のみなさん、こんにちは。本日は記者会見にお越しくださりありがとうございます。

2.先日のナショナルデーラリーにおいてリー首相は、なぜシンガポールは世界に開かれ、またつながっていなければならないかを説明しました。私たちは自国の人材の育成と世界各国からの人材の受入れの両面から、世界レベルの人材を獲得し続けなければなりません。

3.本日は、シンガポールのグローバル人材ハブとしての地位の強化について述べていきます。
 

 

グローバル人材ハブとしてのシンガポール

4.シンガポールはグローバルな都市です。世界に開かれた存在であることで、私たちは最高なものから学び、国内において才能ある人材を育成し、良い仕事を生み出し、何世代にもわたってシンガポールの人々を高めてきました。

5.ここ数年、新型コロナウイルスによってシンガポールの世界とのつながりが途絶えました。多くの国と同様に、我々は国境を管理し、シンガポールに暮らすすべての人々の健康と安全を維持するために、かなり苦しい措置を取らざるを得ませんでした。現在、パンデミックから脱却しつつありますが、地政学的、経済的に大きな不安要素が残っています。国内に目を向けている国もあります。グローバルな人材を獲得するために行動している国もあります。

 

6.このような状況だからこそ、シンガポールは自らの立ち位置を明確にしなければなりません。投資家がシンガポールはオープンであり続けるのかと疑ったり疑問を持つ余地を残してはいけないのです。天然資源をほとんど持たないシンガポールにとって、人材は唯一の資源であり、有能な人材を獲得することは攻撃的な戦略となります。企業が人材を選ぶように、人々も企業を選ぶ時代となりました。企業も人々も、投資先、仕事先、また生活の基盤として安全で安定した環境を求めています。まさにシンガポールはそのような場所です。

7.従って、この機会を活かして、シンガポールがグローバル人材ハブとしての地位を固めることは絶好のタイミングといえるでしょう。
 

 

 

世界中の人材を惹きつける

8.我々は、ワークパスの枠組みから4つのターゲットを絞って強化を図っていきます。これは人材不足の分野において優秀な人材や経験豊富な技術者をより多く獲得するために行われます。そしてこれは以前から強化してきたワークパスの枠組みの中で外国人就労者の補完性と多様性を向上させるためのものです。

 

9.まず一つ目に、分野を問わず優秀な人材に与えられる代表的なパスとして、「Overseas Networks & Expertise Pass」を新たに導入します。その名の通り、シンガポールの成長に貢献できる貴重なネットワークと深いスキルや専門知識を持ったグローバルな人材に与えられるものです。
a. 通常のEmployment Pass (EP)と比べてこのパスは有効期限が5年と長く、またシンガポール経済に貢献してもらうために複数の役職を担う方にも柔軟に対応するものとなっています。また、パス保有者の配偶者もLetter of Consent(承諾書)を取得すれば就労が可能となります。
b.申請にはいくつかの方法があります。そのひとつは、EP保有者の上位5%に匹敵する3万シンガポールドル以上の月額固定給を得ることです。シンガポールでの職歴がない海外からの応募者は、時価総額5億USD以上、または年間売上2億USD以上の実績のある企業での勤務経験もしくは勤務予定であることを示す必要があります。ただし、給与はあくまでも一つの目安に過ぎないので、芸術・文化、スポーツ、科学技術、研究・学術の各分野で優れた業績を上げている人は対象となる可能性があります。我々は基本的に実力者を求め、歓迎します。
c.パス保有者のシンガポール滞在中、MOMはパス保有者と密に連絡を取り合います。このパスが提供する柔軟性は、保有者がシンガポール経済に有意義に貢献できるようにすることを目的としており、観光や旅行のための書類として乱用されることがあってはなりません。
d.このパスは2023年1月1日より申請の受付を開始し、さらに詳しいことについては順次MOMのホームページでリリースされます。

 

10.二つ目に、既存の制度のEP保有者上位10%に照準をあてた新しい基準を導入し、企業に対してワークパスの枠組みをより明確かつ予測可能なものにします。
a.現在、2万シンガポールドル以上の収入を持つ個人には、Fair Consideration Framework(FCF)の求人広告要件と今後予定されているComplementarity Assessment Framework(COMPASS)の免除が認められています。また、12,000シンガポールドル以上の収入を得ているEP保持者と18,000シンガポールドル以上の収入を得ている海外からの応募者は、Personalised Employment Pass (PEP)の対象となります。覚えるべき数字がたくさんあることがお分かりいただけると思います。
b.そこで今後はEP保有者の上位10%を基準として設定する予定です。FCFの求人広告免除要件とCOMPASS免除のための給与基準、およびPEPの給与基準も22,500シンガポールドルに統一されます。
c.この基準化・体系化は、ワークパスの枠組みをより明確にすることを目的としています。このベンチマークの設定により、企業は将来の給与の基準値や基準の変更が段階的なものであることがわかります。
d.給与の基準額の引き上げは、1年後の2023年9月以降となるため、企業や個人には調整を行う時間が十分にあります。

 

11.三つ目に、企業がビジネスニーズにより迅速に対応できるようにするため、すべてのEP申請に対して適用される二つの変更を行います。
a.まず、2日後の2022年9月1日より、FCFの求人広告期間を28日から14日に短縮します。これには、新型コロナウイルスの影響で雇用市場が不安定で経済状況が不透明だった2020年10月に、FCFの求人広告期間が14日間から28日間に延長された背景があります。当時、求職者が求人に応募する時間を十分に与えるためでした。堅調な景気回復に伴い、労働市場は大きく強化されました。現在では求職者の数より仕事の数の方が多くなっています。従って、FCFの求人広告の掲載期間を当初の14日間に戻すことは絶好のタイミングといえるでしょう。
b.第二に、すべてのEP申請の審査・処理にかかる時間を短縮します。現在、オンライン申請の85%は、3週間以内に審査・処理を完了しています。今後はすべてのEP申請について直ちに、10営業日以内に審査・処理もしくは申請者に状況報告を行うこととします。つまり、申請書を提出してから10営業日以内に、雇用主はMOM(労働省)からイエスかノー、または審査にさらに時間が要する旨の状況報告を受けることができるようになります。これが可能となったのは、ここ一年間ワークパスシステムの技術的なアップグレードを行ったためであり、またこれからも継続的にシステムの改善を行っていきます。

この変更により、企業が採用に関してより迅速に、またより確実に取り組めるようになることを期待しています。

 

12.四つ目に、世界的に経験豊富な技術者の不足に直面していることです。これはシンガポールに限ったことではなく、シンガポールローカルの技術者を育成するための継続的な取り組みと並行して、2023年9月よりCOMPASS Shortage Occupation List(人材不足の職種リスト)に掲載されている特定の技術職について、有効期限5年のEPを選択できるようになります。このEPの申請者は、経験に応じて月額固定給10,500シンガポールドル以上という高い給与水準を満たす必要があります。また、Compassの枠組みの中のダイバーシティの項目で10点以上獲得する必要があります。この強化により、経験豊富な技術者がシンガポールへの移住を決断する際に、より明確な判断材料となり、シンガポール国内の人材を育成しながらも、技術力を確保することができるようになります。
 

 

 

シンガポールローカルの人材を育成する

13.スキル不足の分野で優秀な人材や経験豊富な技術者をより惹きつけるために、ワークパスの枠組みに的を絞った強化を行っていることは、これまでお話ししたとおりです。私たちが行っているすべての見直しの根底には、シンガポール国民のために、より多くの、そしてより刺激的な機会を創出するという目標があります。世界中から優秀な人材を集めることで、彼らのネットワークを活用し、彼らの専門知識から学ぶことができ、最終的にはシンガポールの人材の発展を加速させることができます。

14.我々は、ローカル人材の育成に今後も積極的に取り組んでいきます。The Industry Transformation Maps(ITMs)(産業構造改革マップ)では、23の分野での産業成長計画がまとめられています。この23の分野それぞれについて需要の高い仕事を特定し、ローカル人材育成のための仕事とスキルの戦略を策定しています。また、Jobs Transformation Maps(仕事改革マップ)を導入し、テクノロジーが産業や人材に与える影響について職種レベルでの考察を行いました。これらの考察により、企業は新たに導入される職種や役割に必要な従業員のスキルを特定することができます。政府は新しい職種や役割の教育やスキル獲得を支援する様々なプログラムを用意しています。

 

15.ローカル人材がグローバルな感覚を磨きリーダーシップを発揮するためには、分野ごとの深い知識だけでなく、グローバルそして地域ごとの経験も必要です。政府機関には、これらの支援のための優れたプログラムが用意されています。例えば、金融業界においてシンガポール人の海外赴任を支援するInternational Posting Programme(iPOST)、リーダーを育成するために分野を問わず企業を支援するSkillsFuture Leadership Development Initiative、海外でのインターンシップを支援するGlobal Ready Talent Programmeなどがあります。

16.我々は非常に計画的な取り組みを行っていますが、自国民を育てるということになると、終わりはなく、もっとやらないといけないことがあります。私たちの目標は、もっと多くのシンガポール人を世界の巨人と肩を並べるような世界レベルのリーダーに育て上げることです。Forward Singaporeの柱のひとつ、Empower on Economy and Jobs(経済と仕事の強化)では、どのようにすればより多くのシンガポール人が地域やグローバルな機会に挑戦できるようになるか、また、シンガポール人が海外駐在を躊躇するような障壁をどのように減らすことができるか、政府は労働者や企業にコンサルティングを行う予定です。これらは、問題の根源を把握し、効果的な解決策を打ち出すための重要な話し合いとなるでしょう。これは、今年の予算案で発表された新しいシンガポールのグローバル・エグゼクティブ・プログラムを補足するものです。詳細は追って発表します。

 

 

 

まとめ

17.結論として、シンガポールはグローバル人材ハブとしての地位を固めるために積極的なアプローチを取り、ビジネスに関してオープンであり続けるという明確なメッセージを世界に発信し続ける必要があります。

18.我々はローカル人材とリーダーシップの育成を引き続き行っていきます。私たちは、最高の人材をここに集め、彼らから学ばなければなりません。そして、ローカル人材を海外に派遣しより多くの地域や世界で経験を積ませ、シンガポールに戻ってリーダーシップを発揮できるような支援も行っていきます。

19.我々は、スキル不足の分野で優秀な人材や経験豊富な技術者をより惹きつけるために、ワークパスの枠組みを強化します。そしてこれは以前から強化してきたワークパスの枠組みの中で外国人就労者の補完性と多様性を向上させるためのものです。

20.優秀なローカル人材を育成し、世界中から人材を迎え入れることで、我々は活気に満ちたグローバル都市となり、現在もそしてこれからもシンガポール人のためにますます広がる社会を実現することができるのです。

21.ありがとうございました。