シンガポールにおける「公正な雇用」とは? Part 3 : 選考と面接のプロセス

シンガポールでは従来より、「Fair Employment Practices(公平な雇用慣行)」というスローガンのもとで、年齢や国籍、性別といった要素によって人材採用上の有利不利が生じず、純粋に能力に基づいた採用慣行が各企業で徹底されるように、様々な施策やルールを打ち出してきました。特に、雇用予定の外国人(駐在員)と同等かそれ以上に能力のあるシンガポール人がマーケットに見つかれば、シンガポール人の方を優先的に雇用しなければならないというポリシーは、政府運営の求人ポータルサイトMyCareersFutureへの求人広告投稿義務によって非常に厳格に運用され、多くの外資系企業にとって必ず遵守すべきプロセスになっています。

 

こうしたルールの運用部分を担っているのが、MOM(Ministry of Manpower)の下部機関のTAFEPです。

今回は、2022年8月にTAFEPから発行された「What Makes Fair Hiring?」(公平な雇用とは?)という記事のPart 3の和訳をお届けします。

 

TAFEP原文

https://www.tal.sg/tafep/resources/articles/2022/what-makes-fair-hiring-part-3-the-shortlisting-and-interview-process

 

 

 

公正な雇用とは? Part 3 : 選考と面接のプロセス

候補者選定と面接のプロセスは、採用プロセスの鍵を握ります。そのプロセスを公正かつ効果的に進めるための方法をご紹介します。

2022年8月16日

 

【公正な採用を実現するために】シリーズの1:組織の公正な採用方針が確立され2:公正で効果的な求人広告の作成方法を経て、今回は採用プロセスの次の重要なステップである応募者を公正かつ効率的にスクリーニングして面接を行うことについて紹介します。

 

 

公正で客観的な候補者選定

職務分析で定義され求人広告に記載した、職務を遂行するためにコアとなる、または必要最低限必要な要件に基づくスクリーニングから一般的な候補者選定のプロセスは始まります。

また、特に技術的なスキルや特別な能力が求められる場合には、認知能力テストや職務に関連した健康診断など、採用前テストを選考プロセスの一部として取り入れることも可能です。

ここからは公正で客観的な選考を行うための注意点をご紹介します。

 

・候補者選定プロセスにおいて、すべての候補者に公平かつ一貫した基準が適用されていることを確認すること。
・価値観や人間性、差別化を図る要因など、コアとなる職務要件以外の項目がレジュメから読み取れない場合は、候補者からさらに情報を引き出し、明らかにするよう努力すること。

採用前テストを追加の選考または候補者選定の目的で実施する場合:

 

・採用前テストが職務要件に関連し、職務および職場の環境への適合性を確認する上で効果的であることを確かめること。
・定期的に採用前テストを見直し、内容や採点方法にに偏りがないか確認すること(例:意図せず女性や年配の応募者を除外してしまうなど)。
・体系的で一貫した採点ガイドを導入し、ポテンシャルのある候補者をランク付けし、絞り込むこと。

採用前テストを利用する場合に取り入れるべき方法を
こちらでさらに紹介します。

 

 

公正な面接を行うために

面接は、候補者がその仕事に最も適しているかどうかを判断するための重要なステップです。公平に、また敬意を持って候補者と面接を行うプロセスは、候補者があなたの組織を雇用主として選ぶ絶好の機会にもなります。公正な面接を行うためには、どのような点に気をつければよいのでしょうか。

実力をベースとした面接の質問を用意する
職務遂行に必要な特定のスキルや能力を対象とした、実力をベースとする質問をしてください。

例:
-職務経験に関わる質問(例:以前の職場でクリエイティブな方法で問題を解決した状況を教えてくださいなど)
-職務スキルに関する質問(例:あなたのコアとなるスキルは何ですか、それはあなたが応募しているポジションにどう還元することができますか?など)
-リーダーシップの経験についての質問(例:目標達成のために様々なスタイルのリーダーシップを発揮したプロジェクトについて教えてください。など)
-チームワークについての質問(例:あなたがどのようにチームに貢献したかを教えてください。など)

その他の質問例については、
最適な候補者を選ぶ際のガイドとしての質問集、また候補者に有益な面接の機会を与えるための質問集を参考にしてください。

 

意図と目的をもって質問する
面接官は、候補者から情報を聞き出す際、常に注意を払って、真摯に対応することが重要です。面接での質問は、候補者の適性を見極めるという目的を達成するために、意図と目的をもって行う必要があります。

面接のすべての過程で、公正さを意識する
複数回の面接を実施する場合は、以下の点が重要となってきます。
-複数回の面接が必要となる明確な基準(職務の年功序列、求められるスキルの種類などに基づく)。
-各面接における明確な選考基準とその成果(リーダーシップの役割への適性を評価するためなど)。この基準は、すべての候補者に一貫して適用され、すべての面接官が共通認識としてもっていなければなりません。


 

公正な採用活動は、躍進する企業の証です。選考と面接のすべてのプロセスを公正に行うためにこれらを実施することは、最高な候補者をみつけ選定するだけでなく、候補者にとっても良い経験となり、将来的にさらに優秀な人材を惹きつけ、企業ブランドを高めることにつながります。

この記事は、採用活動の見直しを促進し、公正な採用活動への組織の取り組みを確立するためのシリーズの一つです。